「一人で外出できる。」事が目標のA様
外を歩く練習やマシントレーニングなどを約3カ月実施し、外を歩く事にも慣れ、体力も向上しました。
せっかくなので、行きたい場所への外出を企画しました。お好きな場所は「鈴木大拙館」ということで、金沢駅からバスを利用し、本多町を目指しました。
今回が初めてのバスへの乗車です。
ノンステップのバスではありますが、停車位置によっては一旦道路に降りてまた昇る事が必要であったり、大股で道路をまたぐ事が必要でした。また降りる際の停車位置によっては手すりの無い場所で道路から歩道へ昇る事が必要な場面もありました。
さらに、料金の支払いや人ごみの中を歩くなど難しい場面も多かったです。
鈴木大拙館に無事到着です。
ここが一番お好きな場所で、「思索空間」という場所です。
今回は、職員も一緒でしたのでゆっくりは出来なかったかもしれませんが、非常に心が落ち着く気持ちの良い空間でした。扉からみえる緑や水面、それに映る風景がとてもきれいでした。A様が好きな理由も頷けます。
帰りはタクシーなどを予定していましたが、バスで戻る事を選ばれ、再度バスへの乗車も行いました。
初めてでもあり、難しい課題も多かったですが、色々と挑戦されました。
翌週、ご家族様とバスを利用して外出をする予定を立てたとの事でした。とてもうれしい報告でした。
最後に外出時に出会った、鈴木大拙のことばです。
“味”は体験である。なにが辛いかを、自ら嘗めて自ら知ることである。冷暖自知である。われらのごとく文字の上でのみ生きているものは、何事につけても観念的になって、味わうことをせぬ。
味わうことの大切さを教えて頂き、色々な方の挑戦を支えていきたいと思いました。